ウォルフガング・ペーターゼンの代表作とフィルモグラフィー|『U・ボート』『トロイ』ほか

ウォルフガング・ペーターゼン監督の写真 監督と俳優

『U・ボート』の息苦しい艦内から、『ネバーエンディング・ストーリー』の幻想世界、そして『トロイ』の壮大な戦場へ。ウォルフガング・ペーターゼンは、まったく異なる舞台で観客を物語に引き込んできた映画監督です。

「有名な作品は知っているけれど、同じ監督だとは知らなかった」という人も多いのではないでしょうか。この記事では、代表作の見どころをジャンル別に紹介しながら、ドイツからハリウッドへと広がったキャリアを振り返ります。結末に触れるネタバレは避けているので、次に観る一本を探す際にも参考にしてください。

ウォルフガング・ペーターゼンとは?

ウォルフガング・ペーターゼン(Wolfgang Petersen)は、1941年3月14日生まれのドイツ出身の映画監督。2022年8月12日に81歳で亡くなりました。

その作品をたどるうえで注目したいのが、危機に直面した人間の「選択」です。潜水艦や飛行機のような逃げ場のない空間だけでなく、感染症や戦争を扱う作品でも、何を守り、誰を信じるかが物語を動かします。派手な映像だけでなく、登場人物の判断に目を向けると、作品同士のつながりが見えてきます。

※以下の年号は、日本での公開年ではなく製作年を基準にしています。

代表作『U・ボート』を観るなら

潜水艦の甲板にいる乗組員たち(参考記事掲載画像)

『U・ボート』(1981年)|まず押さえたい代表作

作品情報:『U・ボート』

第二次世界大戦中のドイツ軍潜水艦を舞台に、乗組員たちの過酷な任務を描く戦争映画。ペーターゼンは監督と脚本を担当し、作品はアカデミー賞で監督賞を含む6部門にノミネートされました。

注目したいのは、戦場を広く見渡すのではなく、狭い艦内に視点を置いていること。外で何が起きているかを十分につかめない状況が、独特の緊張感につながります。戦闘の規模よりも、そこで生きる人間を見たい人におすすめです。

なお、オリジナルの劇場版とは別に、監督自身が再編集したディレクターズカット版もあります。観る前にバージョンと上映時間を確認しておくと、鑑賞の予定を立てやすくなります。

ファンタジーとSFで知る別の一面

ネバーエンディング・ストーリーの参考画像

『ネバーエンディング・ストーリー』(1984年)

作品情報:『ネバーエンディング・ストーリー』

ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を原作とするファンタジー映画。本を読む少年の世界と、危機に陥った幻想の国の物語が並行して進みます。

ここで味わいたいのは、「物語を読むこと」そのものが冒険につながる感覚。戦争映画とは違った入口から、想像する楽しさに触れられます。ペーターゼン作品に重厚な印象を持っている人にこそ、見比べてほしい作品です。

続いて手がけたSF映画が『第5惑星』(1985年)。代表作だけでなく、ジャンルを横断する監督の歩みを知りたいなら、こちらも鑑賞候補に入れてみてください。

1990年代のサスペンスとアクション

プラスティック・ナイトメア 仮面の情事の参考画像

『プラスティック・ナイトメア 仮面の情事』(1991年)と『ザ・シークレット・サービス』(1993年)

作品情報:『プラスティック・ナイトメア 仮面の情事』 / 『ザ・シークレット・サービス』

1990年代の監督作には、この2本のサスペンスがあります。特に『ザ・シークレット・サービス』は、大統領を守るベテラン警護官と、暗殺を企てる人物の対決を描いた作品です。

クリント・イーストウッドとジョン・マルコヴィッチの共演に加え、主人公が抱える過去にも注目。敵を追うだけの物語ではなく、もう一度責任を果たせるかという問いが、サスペンスの軸になっています。アカデミー賞では助演男優賞、脚本賞、編集賞の候補となりました。

アウトブレイクの参考画像
エアフォース・ワンの参考画像

『アウトブレイク』(1995年)|見えない脅威に立ち向かう

作品情報:『アウトブレイク』

未知のウイルスの広がりと、それに対処する人々を描くパニック・サスペンス。ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ、モーガン・フリーマンらが出演しています。

誰が危険を判断し、どう行動するのか。感染への恐怖と組織の判断が絡み合うことで、物語に切迫感が生まれます。ただし、あくまでフィクションとして楽しむ作品です。現実の感染症対策や医学的な情報と混同せずに鑑賞しましょう。

『エアフォース・ワン』(1997年)|娯楽映画から入るなら

作品情報:『エアフォース・ワン』

ハリソン・フォード演じるアメリカ大統領が、ハイジャックされた大統領専用機の中でテロリストに立ち向かうアクション映画。敵役をゲイリー・オールドマンが演じています。

大統領としての立場と、家族を守りたいという思い。その両方を背負った主人公を追うことで、設定の大胆さを楽しめる作品です。「まずは分かりやすいアクションを観たい」という人には、ペーターゼン作品の入口としておすすめできます。

海の脅威を描く『パーフェクト・ストーム』

『パーフェクト・ストーム』(2000年)

作品情報:『パーフェクト・ストーム』

1991年の大嵐と漁船をめぐる出来事を題材にした作品で、ジョージ・クルーニーとマーク・ウォールバーグらが出演。漁に出る人々の仕事や生活と、海の危険が結びついていきます。

巨大な波を描く映像はもちろん、なぜ人は危険な海へ向かうのかにも注目したいところ。災害の迫力だけでなく、働く人々の背景から物語を捉えたい人に向いています。

歴史大作『トロイ』と海洋パニック『ポセイドン』

トロイの参考画像

『トロイ』(2004年)|俳優の顔ぶれも魅力の歴史大作

作品情報:『トロイ』

ホメロスの叙事詩『イリアス』をもとに、トロイをめぐる戦いを描いた作品です。ブラッド・ピットがアキレス、エリック・バナがヘクトル、オーランド・ブルームがパリスを演じています。

大軍がぶつかり合う場面と、個人同士の対立を行き来する構成が見どころ。英雄の強さだけでなく、家族や名誉への思いに目を向けると、登場人物をより身近に感じられます。神話や古代史に詳しくなくても、人物関係を手がかりに楽しめる一本です。

ポセイドンの参考画像

『ポセイドン』(2006年)

作品情報:『ポセイドン』

1972年の『ポセイドン・アドベンチャー』をリメイクした海洋パニック映画。カート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス、リチャード・ドレイファスらが出演しています。

こちらは、同じ海を扱う作品でも『パーフェクト・ストーム』とは別の鑑賞候補として選びたい一本。原作小説や旧作との違いを調べながら観れば、リメイク映画ならではの楽しみ方もできます。

どの作品から観る? おすすめの選び方

監督の代表作を押さえるなら『U・ボート』、気軽にアクションを楽しみたいなら『エアフォース・ワン』、幻想的な物語に浸りたいなら『ネバーエンディング・ストーリー』がおすすめです。壮大な人物劇を観たいときは『トロイ』を選んでみてください。

ペーターゼンはその後、2016年にドイツ映画『ゲットバック 奪還』も監督しています。ひとつのジャンルだけで捉えず、気になった作品から少しずつ広げていくのが、フィルモグラフィーを楽しむコツです。

同じ監督の作品を続けて観ると、舞台が変わっても、危機の中で人間を描こうとする視点に気づくかもしれません。まずは今の気分に合う一本から、その幅広い映画世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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参考:映画.com(監督プロフィール)・映画.com(関連作品)・IMDb(U・ボートの受賞歴)・参考記事・画像掲載元

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